“星上・W・和音”が契約、生活して過ごしている部屋。

夜になると怪異が元気に走り回る音が響く。 最近は日がある時間にも活動するようになってきており契約主は迷惑している。

元は観葉植物など日用雑貨が適度に置かれていたが怪異に突撃、破壊されてしまった以降、設置を控えている。

<aside> <img src="https://s3-us-west-2.amazonaws.com/secure.notion-static.com/049a41c6-2cf8-4bd1-95e4-6ad4899bf6dd/イラスト.png" alt="https://s3-us-west-2.amazonaws.com/secure.notion-static.com/049a41c6-2cf8-4bd1-95e4-6ad4899bf6dd/イラスト.png" width="40px" /> 棲まう怪異

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足音と衝突が激しい以外、害のない怪異。 見える者が見れば、とある果物の名を冠する鳥の生霊だと分かるかもしれない。

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「不謹慎だけど──優秀な退魔師が大勢出向してきたし、俺の仕事も減るかな……」

リビングルームにぽつんと置かれた座敷机にて、日課である日記を認めていく。 呟く表情は少し曇り気味である。

机の周り、子供が走り回るような愉快な足音を奏でている。

「き、君……! 子供が元気なのはいいことですが、明るいうちも騒がしくするなら──こらっ! 机は揺らさないで!」

はっきりと怪異を認識することはできないが、音のする方に首を向ける。机ががたがたと揺れ始めれば動きを止めるように抱きつく。 子供(誤認)と共に余暇を徒消する退魔師なのであった。


「作戦延期……了解です」

自室の床の上に置いたスマホに、出撃に向け準備を終えた退魔師は正座姿で対峙する。 届いたメールを声に出して読み上げた。

バタバタと走り回る音は退魔師、続けてスマホに接近する。

足音が目の前に来た瞬間、スマホがもの凄い勢いで床の上を滑っていく。 壁に接触し跳ね返り、再び怪異にぶつかったのかその勢いは止まらない。